やっくんの物語 その3

夏日の様な小春日和が続いて、無事にワークショップも終わりました。
いやぁ、暑かったですねぇ・・・。

ワークショップにお越し下さいました皆様にもこのお話が話題になってくれていて嬉しかったですし、ライングループでも珍しくご感想をいただいていて、早く続きを書かねばと思っておりました。

ママは仕事が遅いわねぇ… by ミィ

さて、ここからはアイスクリームレッスン翌日のお話です。

佐和子さんご家族がやっくんとお別れをしたと言うのは前日の夕方に聞いていたので、私はその夜とても悲しくて泣けて泣けて、なぜ人のおうちの猫ちゃんのことをこんなに泣けてしまうのだろうと思いつつも、やはり我が身に置き換えてしまうのだなと、

もしもケケやミィと突然のお別れがやって来たら、やはり動揺するし悲しいし、たくさん泣くのだろうなどとも思ったりしていました。

翌朝も、ずっと悲しい気持ちのまま。

そして佐和子さんに何か声を掛けてあげたいけれど何を言ったら良いかと思っていて、ふと以前見たマンガを思い出してそのリンクを送りました。

猫は天国 で「新しい服に着替えて帰ってくる」。家族を失って辛い人へ送る心温まる漫画|ペットフィルム -犬・猫・ペットの画像・動画まとめ petfilm.biz

今すぐにはこうは思えなくても、いつかこんなストーリーが心を癒してくれるかも知れないし、こう思っていられたら少し悲しみも和らぐかなと。

このリンクを紹介して、私はヨガに行きました。
月曜日は好きな先生のクラスなので出来る限り出ていたのです。

他の先生のクラスと違って少し薄暗い中で古典ヨガをやってくれるクラスで、
ホットヨガなのに心も静まるクラスでした。

クラスが始まる前は15分ほどのリラックスタイム。好きに過ごせる時間があって、この日はぼんやりと、前日までに起こったことを思い出していました。

そしてレッスンが始まってゆったりと呼吸と共に身体を動かし始めると、私はまたやっくんと繋がっていたのです。


薄暗いヨガスタジオの中でどこか意識が飛んでいたのでしょうね。

やっくんが、二本足で立っていて。

どんどんとお空へと向かっていました。

そして地球の大気圏を越えて、宇宙へ。

足元の地球が少しずつ、遠くなっていきます。

やっくんは、うわぁ・・・とそれを見下ろしつつも、自分がどこへ行くのか、
これからどうなるのかがちょっと不安な感じでした。

胸には旅立つ時に箱に入れてもらっていたアヒルのぬいぐるみと、佐和子さんご家族との思い出をしっかりと抱えて。

そんな、少し不安げなやっくんの前にキラキラと光が降りてきます。
その光はどんどん強く濃くなって、まるでゴールドのカーペットのように長々と
やっくんを導くかのように伸びています。

黄金のカーペットがやっくんを迎えに来た・・・

よく見るとそのゴールドのキラキラは、一つ一つの粒子がかつて地上でペットとして人と暮らしていたであろう犬や猫たち。

先にこちらへ来ていた彼らが、キラキラとしたゴールドの存在になってやっくんを迎えに来ていました。

彼らも一人一人がそれぞれに、旅立つ時に一緒に連れて来たお気に入りだったぬいぐるみやおもちゃ、箱に入れてもらったお花などを胸に抱えています。

どこの誰なのか、一目で分かるんだな。。。
飼い主さんに、ボクだよ! って言うときの目印を、みんな持っているんだね。

そんな ”先輩たち” がズラリと並んでやっくんをニコニコと出迎えてくれると、真ん中を道を空けてやっくんを奥へと誘います。

光の中へ、奥へ、奥へと。

先へ進むにつれてやっくんはシマシマの柄を脱ぐかのようにして、徐々に光り輝く金色のネコになって行きます。

その先には、大いなる存在が待っていました。

姿は猫の大きな神様みたいですが、大いなる存在としか言いようがありません。

やっくんはその存在の大きな大きな腕にだっこされると、周りをたくさんの先輩ペット達に取り囲まれます。

猫の神様が、よく頑張って来たねとやっくんをほめるとやっくんは、

「 あのね! ボクね、こんなおうちに行って、あんなことや、こんなことして来たんだよ!!!! 」

と、佐和子さんご家族との時間がどんなに楽しく幸せだったか、本当に本当に嬉しそうに、自慢げに、神様と周りの先輩たちにおしゃべりを始めました。

神様も、周りの先輩たちも、うん、うん! と、嬉しそうにニコニコと聞いています。

やっくんにとって佐和子さんご家族は本当に大好きな大好きな、ボクの自慢のファミリーだったんです。

自分がどんなに素敵な時間を過ごしてきたか、どんな奮闘をしてきたかをとてもとても嬉しそうに話すやっくんを見ていたら、私はヨガ中にも関わらず涙が溢れて仕方がありませんでした。

この日のレッスンが薄暗いスタジオで良かったです・・・

佐和子さんにこのヴィジョンを伝えると、やはり号泣されたご様子でした。

罪悪感や後悔に苛まれる小さな家族とのお別れですが、彼らはその猫生、犬生を、本当に懸命に走り切っている。生ききっているんですよね。

そしてそこには微塵の後悔もなく、勿論恨んだりなんてしていない。

でもこちらは色々と、ああしてあげたら良かったのかも、とか、あの時どうしてこうしてあげられなかったのだろう、とか、たくさんたくさん考えてしまいます。

そんな時に彼らのこんなやり切った感と愛を知ることが出来たら、少し救われる気持ちになるかも知れません。

勿論そんなことすら受け止められない場合もあるだろうけれど、やがて、いつかは心が解れて、氷が融ける時がやって来ると良いなぁと。

佐和子さんは仰っていました。

”お別れは悲しいけれど、とてもあったかいものでした。” と。

最後にやっくんが見せてくれたのは、他の先輩達と一緒に次にやって来る後輩を笑顔で出迎える姿でした。

胸には勿論、アヒルのぬいぐるみを抱えて。

あー、もう、ホントに!

私が絵が上手だったら、この時視た光景をもっと上手に伝えられるんだけどなぁ。。。

しかしなかなかそんな余裕も時間もなく、ちょっともどかしい思いもありつつも、私としては佐和子さんご家族が自分の気持ちの整理のためにこんなストーリーを胸に納めてもらえるのならそれで十分だなと思っていました。

が、事は急転直下!!!

暫くしてお会いした佐和子さんから意外なお話があったのです。

何と、佐和子さんご家族のご意志で、やっくんのお話が絵本になることになったのです!!!

やっくんがおうちに来てからのこと、そして突然やって来たお別れ。
でもお別れは悲しいことじゃなく、こんなあったかな世界と彼らの愛を
私達は受け取っているんだと言うことを、そしてやっくんがこの世界を精いっぱい生ききった証を、カタチにしようと言うことになったと。

うわぁ・・・・ と、言うしかありません(笑)

これは、私も責任重大。。。

というワケで、佐和子さんとご友人の絵を担当されるYさん、
絵本の出版社を繋いで下さったAさん、そして私、と言うやっくんプロジェクトチームが発足したのです。

ここから改めて私も、自分が視た世界を佐和子さんと絵を描いて下さるYさんにお伝えしなければなりません。

ママも気張れニャby ケケ

彼らのやさしくあったかな、そして純粋なエネルギーの世界。
これが必要な人へ届けられるのであれば。

ペットロスに限らず、大切な存在とのお別れに心が折れてしまった時に、

魂の永続性、永遠性から視えるものが、慰めになってくれるのであれば。

今は、そんなことを思っています。

やっくん絵本プロジェクト、始まったばっかりですが来年に向けて動いて行くことになりそうです。

絵本完成発売の折には私からもまた宣伝させていただきますね。

やっくんのお話は、ここまでです。

ではでは、また。

橙香